みなさんこんにちは、見習い庭師のノスケです。
1週間ほど、寒さが和らぎ春のような気候でしたが、また寒さは戻りつつあります。
着実に季節は春に向かっていますが、まだまだ寒さの続く日々です。
ここのところは、伐採のお仕事や高木の剪定をさせていただくことが多いのですが、大きな木を切る現場では多量の木を片付ける必要があります。
そういった現場では、自分は切られた木の片付け作業をつとめることが多くあります。
片付け作業と言うと簡単に聞こえるのですが、工夫しないと要領良く作業が進みません。
また、樹種によっても、枝ぶりや性質が違うことで同じ作業をしていても同じように進まなかったりもします。そんな中で、片付けの作業は意外にも、木のことを深く知るチャンスなのではということを感じ始めました。
ということで、今回は片付けの作業を繰り返しやっていくうちに得た、木に関する発見を片付けという視点からまとめてみます。
片付けと一口に言っても、いくつかの工程があります。まずは、現場で実際に行っている片付けは以下の手順で行います。
【片付けの手順】
1:高木の剪定や伐採で切った枝はロープやワイヤーで吊って降ろす。(大木の場合、一度に切って下ろす枝は5m近くある場合もあり、それだけで一本の木のようなものも吊られて降りてきます。)

2:着地したら、ロープもしくはワイヤーを取り外し、チェーンソー等を使って、枝を運べる長さに切る。それらを束ねてパッカー車(ゴミ収集車)の近くまで運ぶ。
3:木をパッカー車に積める長さ(成人の身長程度)まで、再度切り揃え、積み込みます。

おおまかな説明になりましたが、以上の流れで片付けをします。
木によって枝ぶりが違えば、切りごたえも運びやすさ違い処理の仕方が微妙に変わります。
それでは、それぞれの樹種によってどんな特徴や性質があるのでしょうか。
片付け作業を通しての自分自身で得た体感を中心に、まとめてみます。
○ヒノキ
・ヒノキの枝はしなやかさを表現したような様相です。束にして抱き上げても柔らかく抵抗を感じません。ブログにはお墓の高木剪定で登場しました

・冬でも葉をつけているので、束にするとボリュームがあり、かさばり、その分の重さもあります。
・幹から枝が輪状に伸びているので、芯止め等で、幹を切って降ろした際は、枝が地面について幹を浮かせた状態になってしまいます。
・枝は手を広げるように伸びて折れにくいです。
・枝払いでチェーンソーの向きを変えるのに忙しいことがあります。

しなやかではあるけれど、束ねると逃げないので切りやすい。猫っ毛のようなイメージです!忙しい現場でも切りながらヒノキのアロマで癒しを感じる瞬間があったりします
○スギ
・遠くからみるとヒノキと似た印象の針葉樹ですが、切って束にして抱えあげるとチクチクとした葉が刺さりヒノキとは違って少しの抵抗を感じます。
剪定の様子は以下の動画をご覧ください(写真を押すと動画ページに移動します)

・葉をつけていても重さは軽めの印象です。
・ヒノキ同様冬でも葉をつけているのでその分、かさばります。
・枝分かれの数がヒノキよりは少なくスッキリした印象があります。
・刃を入れるとすんなりと切れることが多いです。

ヒノキが猫っ毛のような枝だとすると、スギはいくらか癖のある剛毛のような枝です!
○ケヤキ
・ケヤキの枝はまっすぐに伸びていて葉を落としている時期は特に硬い印象を感じます。切って束ねて抱えあげると、枝が硬くピンと跳ね返すようなハリがあるので抑え込むように抱えあげないと強く抵抗します。暴れる子供を包み込むような意気込みで抱えあげるようにします。
ケヤキの剪定についての詳細は、よろしければ以下の動画をご覧ください(写真を押すと動画ページに移動します)

・運ぶ際は重さもずっしりと感じます。
・竹ホウキの頭のような枝ぶりなので、刻むときには束にして上から抑え込みながら切ります。
・とても固く、細い枝でもすんなりとは切れてくれません。
・切ったケヤキからは牛の糞尿のような香りが立ち、いろいろな意味でヒノキと対極にある木のような印象を受けます。

ケヤキの枝を髪の毛に例えるならまさに頑固でコシのある直毛です
○サクラ
・直線的な枝が多いですが、ケヤキのように規則的ではないです。横に広がった主枝から、枝が上向きに伸びている印象があります。

サクラはバラ科です。バラ科の植物は太く立派な徒長枝を出す特徴があります。
・徒長枝は上へ伸び、それ以外の枝は横に伸びる特性があります。そういったバラ科の特性がサクラの特徴的な樹形を作るようです
・硬い上に規則なく広がっているので、片付けの時に自分の顔をこすってしまうこともあります。
・他の木よりも細かく刻むと少々マシになります。

切り心地はケヤキと似ている感じがあります。固くて重量もあります
○イチョウ

・軽くて柔らかく、しなりが少ない
・切って束ねて抱えあげて顔に枝がかすることはありますが、ダメージは軽いものです。
・チェーンソー等で刃を入れると、豆腐が切れるように抵抗なく切れてしまいます。
・細めの枝だと刃物を使わずに折れてしまうので、解体もしやすいです。

片付けするにおいて、扱いやすい木という印象です!
○マツ
・庭木や盆栽にも見られるように枝ぶりが特徴的で直線的な枝がほとんど見られずどこをとっても曲線的です。
・葉っぱはチクチクしていますが、葉のついた部分が少ないため伐採作業で切ったものを、抱えあげるにあたってそこまでの支障はありません。
・ウネウネしているので、運ぶときはかさばります。
・重さは比較的軽めです。


色々な木に触れてみて、木々によって硬さが違うことが印象付けられました。硬さは木の成長速度と関係があるようです
早く成長する木は密度が小さいので柔らかい。反対に、ゆっくりと成長する木は、その分密度が高くなり、木の質感が硬くなるようです
ということで、まだまだデータ不足ではありますが、私が気付いた限りでの”片付けの視点での木“についてまとめてみました。
“切って束ねたときの運び易さ”等、とてもマニアックなデータとなりました笑
片付け作業を通して、自分が感じた、主観的で偏った内容ではあるかもしれませんが、
言葉にするプロセスで木の質感などを思い出す機会になりました。
木と人との関わりは人によって様々だと思いますが、立つ視点によって見え方は新しいものになるかもしれません。
今回この記事を書いてみて、”樹の片付け図鑑”なるものを作ってみるのは面白いかもしれないと感じました笑
みなさんも自分だけの図鑑を作ってみるのはいかがでしょうか。