別荘地での、枯れた赤松の伐採。2日間の激闘が終わりました。

樹高28m、直径72cm。 20mの高さに登ってもなお、幹は太く、圧倒的な存在感を放っていました。

私が木に昇り、信頼する3人の庭師仲間が地上でロープを操る。一瞬の油断も許されない時間が続きました。

作業中、突然の突風に煽られ、さらには岐阜での地震。 地上では小さな揺れでも、20数メートルの梢の上では、体ごと放り出されるような大きなうねりとなります。

でも、仲間との呼吸、1m程度に切ますがそれでも100kg程度有るでしょう。一本ずつ、慎重に枝を降ろしていく。 最後の一節を切り終え、地面に足がついた時の安堵感は、何年この仕事をしても変わりません。

「終わったぞ」

その報告を兼ねて、体調を崩した息子の面倒を見てくれていた実家に電話をしました。 受話器の向こうから聞こえてきたのは、母の声。

ところが、母は最後まで、電話の主が「自分の息子」だと気づいてくれませんでした。 よそよそしく、他人行儀な受け答え。

さっきまで命がけで木と向き合っていた自分が、一瞬で「ただの寂しい息子」になったような、愕然とする感覚。 仕事に夢中で、がむしゃらに走り続けてきたけれど、その間に親も確実に老いていく。

夢中でいられる時間がもうあまりないのかもしれません。一番下の子が小学校に上がり手が離れるかと思ったけれど、また違う介護という未知の領域が始まります。

現場に立つ一分一秒を、そして家族や親と過ごす一瞬一瞬を、これまで以上に噛みしめていきたいと強く思った1日でした。

#造園#庭師#伐採#空師#赤松#命がけの仕事#親の老い#家族の時間#働く父ちゃん