今時っぽく書いてみます、庭師のいい所を書いてみようかと。
今書くと、10年続けて思う事になってしまうので、
ひと月働いたときに思う気持ちと今思う気持ちを書いてみます。

庭師の良い所 ~駆け出し編~
1.残業が無い 2.感謝される 3.休憩が長い

1.残業がほとんど無い 
庭師の作業現場は8~17時です。
現場が遠いと、現場まで1時間くらいかかるら、その分が伸びる程度です。
ですから、実質の拘束時間は7半~17時半くらい。18時に風呂に入ってビール飲めたりします。

私は、翌日の準備と家事に使っています。
家事は楽しいですよ。
子どもを保育園に歩いて迎えに行って(遊んで帰ってきて)、洗濯物取り込んで、夕食の準備して・・・。

昭和の豊かな暮らしって、きっと地に足の着いた生活をすることなのかと最近思います。
他職は朝はもう少し遅いかもしれないけど、夕方は20時くらいまでみんな働いていますよね。
だから、時給換算にすると実は他職より稼げます。空いた時間をどう使うかはあなた次第です。

2.作業したことで感謝される
個人の庭を周る庭師ならば、お客さんの目の前で作業する事が多いです。
仕事に「ありがとう」という言葉や、「キレイになるね」という言葉を頂けます。
自分の仕事に直接感謝を貰えるなんてことはとても有難いことです。

今は分業が進み、あらゆる事が歯車になっています。
しかし、庭師の仕事は一つ一つが小さく1点ものをつくる作業です。
小さな感謝の輪の中で仕事をしてみませんか!

3.休憩が長い
お昼休憩が12~13時まで有ります。
また、10時と15時に15~30分の休憩が有ります。
体力仕事なので、しっかり休憩があり、生き返ります。

お客さんからお茶やお菓子を差し入れて貰えることも有ります。
段取りの確認や、作業のやり方の指導、質問タイムにもなっています。
お客さんからこうして欲しいとか、木に対する思いを聞けるときも有ります。

庭師の辛い所3選 ~駆け出し編~
1.体が辛い 2.危険 3.覚えることが一杯

1.肉体的に辛い
夏は勿論暑いし、冬は寒いです。
毛虫や草木によっては、かゆい(かぶれ)があります。
刺のあるバラなんかは、痛いです。
他にも痛いのは蜂、筋肉痛、腰痛)、そして、朝が早いです。

肉体的にはとても辛いですが、逆に、精神的に辛いことは少ないです。
1日に人に接するのは5人くらいですし、素直に接しさえすれば周りが助けてくれます。

2.危険が多く常に気を張っていないといけない
例えば、重いもの運んだりするときは、降ろすときに手を挟まないようにとかです。
低い脚立でも、不注意落ちるとそれなりに痛いです。
お客さんの家のものを壊したり、大事な花を間違えて踏んでしまったりすることも有ります。

だから、指示が来たらただハイっといってやるのではなく、何に注意しなきゃいけないか整理して取り組みます。
ただやるのではなく、自分の工夫次第で解決できることが多いです。
それが、そのままアクションプランを作ることとか、工程管理能力開発につながります。

3.勉強することが多い
まず、道具や材料の名前や使い方があります。
それに加えて、植物の名前を覚えなければなりません。
植物は個体差が大きくて、同じ種類でも、家によって違うので覚えにくいです。

しかも、分かっているふりをしていると、先輩に見抜かれます。
道具は20種類ぐらいですが、植物は最低でも100種、草花も入れればあっという間の500種は出てきます。
植物オタクのできあがりです。

番外 庭師の良い所 ~中堅編~

1 いいお客様が多い
庭を綺麗にしたいと思う、経済的・時間的に余裕のある人がお客様であることが多いです。
ギスギスしている感じがあまりなく、暑いのにご苦労様でしたとこちらを労ってくれる方も多いです。

2 技術の積上げをしやすい
リピーターさんには、その木にピッタリの剪定が出来るようになります。
同じ種類の木でも個体差が大きく、同じ木でも年によっての変化があり、剪定効果の答え合わせができます。
剪定に失敗した結果もしっかりと残るので、ある意味さらし者になります。

3 職人になるだけで喜ばれる
若者からは敬遠される業界なので、素直な子は先輩や客さんから可愛がられます。
逆に斜に構えて、言い訳ばかり言っていると嫌われます。

庭師の辛い所3選(中堅編)
1.先代親方たちに、最新技術を使ても技術的に追いつけない時が多々ある
2.学歴や勤続年数が関係ないため、センスやコミュ力のある若手に追い越される時がある
3.冬場の仕事が少ないので、独立するか悩む

駆け足で書いてきましたが、庭師イメージできましたでしょうか?
最後に庭師のお金について記述します。

造園会社等に就職した場合は、半年の使用期間後正社員となり月18~25万くらいの給料です。
上限には5~10年ほどで到達し、管理職にならないと給料は上がりません。
管理職とは現場の責任者のことです。

造園は建設業ですので、基本正社員なので、厚生年金に入れます。
社会保障部分が手厚いので手取りは13~20万くらいになります。
造園会社は庭の総合会社なので何でもやらせてもらえます。

網羅的に技術を付けるのなら会社も良いでしょう。
でも、庭師ってもっと稼げると思っていたと考える人には不満を感じることでしょう。
そこで別の可能性、1人でやってる地元の庭師の親方の元に就職した場合です。

個人を中心に回っている地元の庭師の親方の元に就職した場合は、親方人間性次第になります。
親身になってくれる人もいるし、道具だと思ってこき使う人もいます。
技術さえ身に付けば独立できますから、人間性は関係ないと割り切ることが大切です。

公的福利厚生はほぼ無いと思って、よく確認してください。
保険会社の保険や互助組織の建設労連などを利用して、怪我をして仕事が出来なくなった時の準備を必ずしてください。
本当に、些細なことで働けなくなるものです。ぎっくり腰とか・・・(-_-;)

福利厚生がないので、凄い額が稼げます。THE建設業の醍醐味的な所です。
多くの場合、基本、アルバイト扱いになります。
日当1~1.5万円くらいです。22日計算で22~33万円。
国保と国民年金を引くと20~30万円ぐらいが手取りになります。(国保は家族の人数でかなり変わります)

ただ、冬場は仕事が少なく、別の仕事をすることになります。
夏は庭師で稼いで、冬は出稼ぎにという不安定な季節労働者のようになります。
この、別の仕事を覚え、コネクションを作っておくということがこれから先とても大切です。
複数の食べる手段を持つというリスクマネジメントは、造園会社に入ると全く育ちません。

ちなみに、私のところでは、冬場は伐採をしています。
庭木だけでなく、山の木を切ることも有ります。
複数の職業を持つというのは今トレンドです。生存戦略ですね。